介護にIoTを導入する際に大切なこと

介護の現場でIoTを導入する動きは増えているものの、実際には、上手く活用できる場合もあれば、せっかく導入したものの、上手く活用出来なかったという場合もあります。IoTと言っても様々です。介護現場によって最適なものは変わりますが、予算や知識の不足などから本当に必要なものを選べていないといったことも多いです。IoTの導入は無料ではないので、導入前にはよく検討することが大切になります。

そこで、考えておきたいのがIoTを導入する目的です。人手不足を補うため、介護の質を上げるため、様々な目的が考えられますが、最も大切なことと言えば、介護現場で働いている人の負担を減らすことではないでしょうか。どんなに便利な技術だとしても、実際に現場で働いている人達が使いこなせなかったり、IoTを利用することで仕事が増えてしまったりということになれば意味がありません。日々の業務の中で無理なく利用できること、導入前よりも導入後の方がスタッフの負担が軽くなることがポイントと言えます。

例えば、健康状態や安否をモニタリングする見守りサービスを導入するとします。目視ではなく、要介護者の状態をモニタリングできるようになるなら、スタッフの負担は減ります。しかし、モニタリングの結果をチェックする人がいなければ異変が起きても対処はできません。また、スタッフと要介護者を支援する移乗介助ロボットはとても便利ですが、装着に時間がかかってしまったり、利用に際し何人ものスタッフが必要になるなら、使用を控えるようになるのではないでしょうか。実際に活用できるもの、便利なものは現場で働くスタッフや労働環境によって異なります。現場の意見を聞き、判断することが大切です。